太陽光投資は一服感? |

太陽光投資は一服感?

      2017/05/24

太陽光投資と聞くと、一時のブームは峠を越して一服感ありと感じる方もいらっしゃると思います。
その理由を整理すると、大きく3点あるのではと。

1点目は、発電した電気の買い取り価格が低下していること。各メディアでもよく取り上げられる話題のため目にする機会も多いはず。ですが、買い取り価格引き下げばかりが強調されているようにも感じます。「投資」として考えるならば、当然、設備投資額の方はどうなっているのかも同時に見る必要がありますね。ご参考までに、買い取り価格と太陽光投資で初期にかかる設備投資額のこれまでの推移を挙げてみます。

太陽光投資の設備投資額も結構安くなってきていることがわかりますね。今後については、買い取り価格をできるだけ抑えていきたい国の方針を考えると、利回りはこれまでより低下する可能性も。それでも、現在の他投資商品と太陽光投資を比較してリスク・リターンを相対的に考えると、ポートフォリオのひとつとして悪くないと感じます。

2点目は、電力会社への接続に制限が設けられたこと、いわゆる「出力制御」についての懸念です。
細かく言えばいろいろあるのですが、一言で言えば、電力の供給量が需要量を上回る場合、電気買い取りを抑制するというもの。
太陽光投資をする立場としては、売電に制限がかかる可能性があるため、収入が減少することに対しての不安が出ました。これは、固定買い取り制度が始まって以降、一気に多くの太陽光発電設備の設置申請があったことも影響しています。ただ実際には、買い取り単価が高い初期に設置承認だけもらい、現状は稼働していない・稼働する見込みがないものが多数あるのです。
近いうちにこの整理も進むことになっており、そうなると現在どの程度の充足感があるのかもう少し正確にわかってくるはずです。
また今後、実際に出力制御がどの程度行われていくのかに注目しておきたいなと。

最後は、減価償却費の一括償却という税制上の優遇措置が使えなくなったことです。
自身で事業をされている方などがこの優遇を使うことで、税金の支払いを先延ばしにできたのです。
あくまで「税支払の先延ばし」なのですが、当初の手元キャッシュを厚くすることができるので、資金効率を高めるのに有効でした。安定した売電収入の他に、通常17年かけて償却するところを一括償却可能というものも組み合わせられたので、一石二鳥だったのです。(2017年3月末までは、要件を満たせば、「生産性向上設備投資促進税制」の活用で取得額の50%を特別償却することは可能)
ただ事業を行い直近の節税を必要とされている方以外は、あまり関係のない話しかもしれません。
これらの点が、太陽光投資に一服感が感じられる主な理由のように思います。

一方、そもそも太陽光投資にスポットが当たる理由となった国のエネルギー政策に目を向けてみると・・・
日本が「パリ協定」により世界で公約した温室効果ガスの削減量は、2030年度までに2013年度日で26%にすること。そのための電源構成をこのようにすることを目標としています。

削減量目標達成はこの実現が前提ですが、例えば原子力に目を向けると、最近は高浜原発3、4号機(福井)の運転差し止め、伊方原発(愛媛)が廃炉決定、というニュースは記憶に新しいところ。
川内原発(鹿児島)は司法判断で運転が認められ、高浜原発1、2号機は運転期間延長が認められましたが、差し止めや廃炉が続くと、割合を保てない可能性も大いにありそうです。
是が非でも「26%削減」目標を達成するのであれば、再生可能エネルギーの存在が更に重要になってくるのではないでしょうか。

このように、太陽光投資を取り巻く環境が変化してきた中で、投資を検討する人の目的も変わってきたように感じます。当初多かった節税も含めた魅力だけではなく、元本保証があるわけではないけれど、比較的安定しつつもある程度の収益が期待できるものとしての位置づけへ。マイナス金利が導入されたことで、更にこのような視点で考える人も出てくるかもしれませんね。
また、比較されることの多いアパート・マンションなどの賃貸経営において常に上位に入るリスク、「空室・家賃減少」の心配が少なくて済む、ことをメリットに感じる声も多いようです。
次回からは、太陽光投資を始めるにあたり実際に候補の土地を見てきたので、そのことについてと書こうと思います。

 - 太陽光投資コラム