太陽光発電のゆくえは? 後編(part1) |

太陽光発電のゆくえは? 後編(part1)

   

前回に引き続き、再生可能エネルギー関連の月刊誌PVeyehttp://www.pveye.jp/を発行されているヴィズオンプレス社の社長、川副暁優氏に伺った話しを共有していきます。
前回は、日本のエネルギー政策における再生可能エネルギーの重要性、中でも太陽光発電の位置づけはどうなっているのか?という点を中心にした内容でした。それを受けて今回は、FIT制度の今後と設備投資者のリスクとなる「出力抑制」についてのお話です。

まずは前者について、そのまま率直に伺ってみると・・・

川副氏
FIT制度は、制度を運用する国が売電単価をコントロールして短期的に市場を形成し、規模の経済と市場の競争原理を利用して、再生可能エネルギー発電のコストダウンを促すことを目的としています。ですから、目的を達成したら終了というのが最終的に目指すところです。国が再生可能エネルギーの意義を訴えても、メリットがないと始める人は多くありません。最初の後押しという点において、FIT制度は必要だと思います。
ただ、FIT制度における再生可能エネルギーの買取コストの一部は、毎月の電気料金に上乗せる形で国民から徴収されます。FIT制度は国民の負担の上に成り立っているのです。

再生可能エネルギーの市場が形成されると、メーカーは設備を量産しますから、規模の経済が働き、設備のコストは下がります。また、参入企業が増えるとコスト競争が進み、さらに発電コストは下がります。実際、FIT制度が導入され、5年が経過しましたが、太陽光発電のコストはかなり下がったようです。

川副氏
国民の負担がなくなり、再生可能エネルギーが普及するまで

の補助という位置づけがFIT制度ですね。
将来、自分たちが使用するエネルギーを自家発電で賄えるようになれば、政策としては成功でしょう。ちなみに太陽光発電で一歩先を行くドイツでは既に自家消費の時代に入っているそうです。

日本においては現在、太陽光発電の買取価格は21円/kWh。例えば設備容量50kWで年間の日射量を1,000kWh/kWとしたら、売電収入は105万円です。
一方、設備の設置コストが仮に20万円/kWとすると総額は1,000万円。投資の目線で見ると、表面利回りはおよそ10%程度です。
世界では現在、太陽光発電設備における設置コストの平均は8~10万円/kW程度だそうですから、設備の設置コストが下がる可能性はありそうです。
仮に設備の設置コストが現在の半額になれば、買取価格が半額になっても投資としては十分成り立つでしょう。

ではなぜ国によってコストが違うのでしょうか?太陽光パネルの販売価格は、それほど差はないようですが、日本の場合、電力会社の電力系統に連系するためのコストや、土地の造成費などが他国よりも割高になっているようです。日本だけではなく世界のエネルギー動向にも注目しておきたいところですね。
また消費者からすれば、買取価格が下がるというのは、他の電源と比べ再生可能エネルギーの価格競争力が出てくることになるわけですから、より普及しやすい状況になるはずです。
ご参考までに、資源エネルギー庁より公表されている電源別の発電コスト試算を載せておきます。

電源別 発電コスト試算 単位:円/kWh 出典:資源エネルギー庁

電源別発電コスト試算

*()内の数値は政策経費を除いた発電コスト

太陽光発電のゆくえは? 後編(part2)はコチラ

 - 太陽光投資コラム