資産運用と優遇制度 -

資産運用と優遇制度

   

「この低金利時代が続く中、お金の運用はどうすればよいのか?」
世の中には、様々な金融商品や不動産等の実物があります。
商品にはそれぞれ特徴がありますので、それらをどう組み合わせて保有するかは、個人の嗜好やリスク許容度にもより変わります。
資産運用で得られる収益には大きく分けて2種類あり、保有することで継続的に受け取ることができる収入(インカムゲイン)と売却をすることで得られる一時的な収入(キャピタルゲイン)です。
代表的な金融商品は債券と株式で、以前は、債券はインカムゲイン、株式はどちらかというとキャピタルゲインを期待して運用している方が多い状況でした。
ところがご存じのように、世界的な金融緩和により貯蓄はもちろんのこと債券の利回りも下がり続け、「運用」と言うのが疑問に思えるほどの低水準が長く続いている現状があります。
しびれを切らした投資家達の受け皿になるのが、株式の中でも配当利回りが高めのもの。
従来のようなキャピタルゲイン狙いに加え、地道ながらも継続して安定したインカムゲインを得られる銘柄も人気があります。

このような金融商品を購入して行う個人の資産運用については、国の後押しによる制度が整ってきています。
特に最近国が力を入れているもの2点挙げると、NISAと個人型確定拠出年金iDeCoです。
簡単にご説明しておきましょう。

個人が運用をする際に税制優遇を受けられる制度です。運用益(インカムゲイン、キャピタルゲイン)が非課税となります。
2014年に通常のNISAが、2018年よりつみたてNISAがスタートしました。両者の併用はできないため、どちらかに限られます。
対象者は、日本国内に居住する20歳以上の人です。
(厳密に言うと、0歳~19歳を対象としたジュニアNISAが2016年に始まっていますが、ここでは省略します。)

個人が積立運用をしながら自分で年金を作る制度です。
「掛け金は所得控除の対象」、「運用益は非課税」、「受け取りは退職所得控除や公的年金控除の対象」といった3つの税制優遇があるため、有利な資産運用が可能です。
2017年に制度改正があり、加入対象者が増加したこともあり注目を浴びるように。
それまでの対象は自営業者と一部の会社員だけでしたが、専業主婦や公務員等も加わり、ほぼ全ての方が優遇措置を受けられるようになりました。

簡単に比較してみるとこんな感じです。投資上限額や引出し制限、対象となる商品でそれぞれ特徴があります。
金融商品については、これらの制度を上手く利用しつつ運用をしていきたいところです。

NISA つみたてNISA iDeCo
購入方法 随時(自由) 定期的な積立 定期的な積立
年間投資額上限 120万円 40万円 14.4~81.6万円
非課税期間 スタート年から5年+ロールオーバー※ スタート年から20年間 資金引出しまで
税制優遇 運用益 運用益 掛け金、運用益、受け取り
引出し いつでもOK いつでもOK 原則60歳以降
対象商品 上場株式、投資信託、ETF、REIT等 一定要件を満たす投資信託、ETF 定期預金、保険商品、投資信託等

※5年の非課税期間終了後も、翌年の非課税枠を活用し更に5年(最大10年)非課税を享受することができる(ロールオーバーできる非課税枠は2023年まで)

一方、従来からインカムゲイン商品としてあった不動産にも注目が集まっています。
不動産については残念ながら、インカムゲインやキャピタルゲインを目的とした運用に対しての優遇は無いと言えます。(「相続・贈与」に対しては有りますが)
「不動産投資」にNISA口座で購入可能な不動産投資信託(REIT)が含まれるのであれば、その恩恵は受けられるくらいの優遇ですね。
それでも不動産投資がひとつの選択肢として個人にも認知されてきているのは、比較的安定したインカムゲインが期待できると思われていることが原点にあるのだと感じます。
更にここ数年は、不動産価格の上昇により、特に都心や地方の中核都市ではキャピタルゲイン狙いの資金が流入し過熱気味の地点も見受けられます。
インカムゲインが比較的安定しているとはいえ、何もせずとも賃料が変わらず永続的に入ってくるわけではありません。その時々の賃貸市場に合った、継続的な創意工夫は必要です。

もう1点、インカムゲイン商品として個人でも手掛けることができるのが、太陽光投資です。
再生可能エネルギーにおいては、水力や風力などというものもありますが、現状、太陽光発電よりも参入障壁が高いこともあり、特に個人では取り組みにくいと言われています。
太陽光投資の最大のメリットは、国による再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が整備されていることです。安定した収入がほぼ約束されているわけですから、「優遇制度」だと言えるでしょう。
実際に太陽光発電を手掛けて感じるのは、賃貸経営の家賃収入と比較すると、空室や家賃減少、突発的に発生する経費が少ないので、収支に安定感があるということです。
当初の試算とのブレが非常に少ないのは、現在の運用環境を考えると魅力的です。
ただし、賃貸経営では期待されるキャピタルゲインは基本的に無いでしょうし、FITが始まり20年に満たないため、固定価格買取終了後にどうなるのかが、はっきりとはわからない点は押さえておく必要があります。

2012年以降、太陽光発電が世の中に普及するにつれて買取価格は低下してきていますが、同時に設備投資額もかなり下げられた状況です。
こちらのコラム(2017年9月21日「太陽光発電のゆくえは?」後編(part1))でも書きましたように、海外と比較すると、将来設置コストが現在の半分程度になることもありえますから、買取価格が下がってもまだ余力はありそうです。

お金の運用を考えるにあたっては、まずそれぞれの特徴や活用できる優遇制度をおさえ、そこにご自身の嗜好やリスク許容度も考慮(反映)して決めていきたいところです。
次回は、それぞれの「リスク」についてもう少し具体的に考えてみようと思います。

 - 太陽光投資コラム